「カオナシ」資本主義

 

カオナシ資本主義

 

 

映画『千と千尋の神隠し』に登場する妖怪「カオナシ」を覚えていますか?

 

たくさんの名作を残した宮崎監督の作品の中でも、異色のキャラクターです。

まず、名前からして顔がない(>_<)そして特徴もない、おまけに自分の声もない。

問題はすべて金で解決しようとし、いう事を聞かないと途端に凶暴になる・・・

 

宮崎監督の真意は、映画の中という架空のユートピアの中に、「カオナシ」という爆弾を放り込み、観客に何かを伝えたかったのかもしれません。そんなカオナシを「資本主義」そのものだと指摘する人もいます。

 

 

映画の中で、カオナシは、手から沢山の金を出して、「千尋がほしい」と迫ります。もし、千尋の心がお金の欲望に負けてしまうと、カオナシに呑み込まれ、この世界から戻ってくることが難しくなるでしょう。お金で何でも買おうとしたカオナシですが、最も欲しかった千尋の心は、お金では買えませんでした。

 

千尋は、お金の誘惑に勝ちました。しかしあなたは、どうでしょう?ボクなら、お金に負ける自信があります!そして、負けたのは僕だけでなく、社会全体がカオナシという妖怪に飲み込まれていると感じていないでしょうか?

 

 

資本主義は、妬みという致命的な弱点を抱えています。あなたも映画に出てくるカオナシのように、「もっと、もっと」と求めるばかりで、いつまでも満足できていませんか?

 

イギリスの哲学者ジェレミ・ベンサムは、「人は、他人に幸福を分け与えることにより、それと正比例して、自分の幸福を増加させるのだ。」との名言を残しています

 

「求める与えよ」そんな新しい資本主義が社会に必要とされていくと家訓二ストは予言します。

 

20世紀の初頭、資本主義のかわりに、マルクスが共産主義を発表し人々は歓喜し理想国家の建設に心を震わせました。そもそもの共産主義は、貧富の差がない誰もが自由に平等に暮らせるユートピアをめざすものでした。しかし、理想は理想として現実の社会では不正や権力者による粛清など続き、理論上は、人と人の助け合いによる理想の社会をつくるものが、まるで反対の結果に至っています。

 

21世紀の初頭。家訓二ストが提言するのは、人と人の助け合いはもちろん、人と歴史、人と自然が混ざり合う新しい資本主義、その名は「ドングリ資本主義」です。宮崎監督の作品「となりのトトロ」に描かれた世界観がその理想です。

 

アメリカとソ連が争った「資本主義」と「共産主義」。歴史の上では、資本主義陣営が共産主義を駆逐しました。しかし、それは、体制が勝ったというだけで、人類にとってベスト選択であったのでしょうか?

 

社会が便利になればなるほど、苦しくなっていないでしょうか?頑張れば頑張るほど、自分の首が絞まっていないでしょうか。人間が幸福になれないシステムに未来があるとは思えません。

 

事実、「カオナシ」のようなアメリカさんは、欲望のおももむくまでにお金、石油、社会資本をバクバク飲み込んでいきますが、貧富の拡大や社会の闇は、止めようもない段階まできています。

 

また資本主義は、社会全体が成長していくことを前提にしているシステムです。そのために銀行や国は、じゃんじゃん借金をし、お金を流通させています。しかし、物には限界があるのに、お金だけが増えていくギャップが生まれ始めています。

 

買うものがないのに、存在するお金を「バーチャルマネー」といい、その額は1000倍とも1万倍とも言われています。例えば世界中のひとが一斉に持っているお金をつかうと、その価値は1万分の1となり、うまい棒1本10円だったものが、10万円です。

あなたが、1か月働いて、ようやくうまい棒が2~3本しか買えないという恐怖と背中合わせに暮らしているのです・・・それが、カオナシ資本主義の暗黙のルールです。

 

映画の中で、カオナシは、手から沢山の金を出して、「千尋がほしい」と迫ります。もし、千尋の心がお金の欲望に負けてしまうと、カオナシに呑み込まれ、この世界から戻ってくることが難しくなるでしょう。お金で何でも買おうとしたカオナシですが、最も欲しかった千尋の心は、お金では買えませんでした。

 

資本主義という怪物をうんだ人類ですが、それとて人間自身が生んだものです。

椎名林檎は、幸福論の中で「本当の幸せは目に映らずに案外そばにあって気づかないものです。」と歌い上げました。

 

カオナシという妖怪からあなた自身が飲み込まれないために、あなたのソバにある手が届くものを大事にしていくことが求められます。

 

カオナシからすれば、道に落ちているドングリには何の価値もありません。

しかし、本当にドングリに価値がないのでしょうか?

 

ドングリを拾ったときに感じる体温や、触感。そしてほっこりする気持ちには、嘘はありません。人生はそんな無駄で出来ている。右のぽっけにお財布を、そして左のぽっけにどんぐりをいれ、右や左と迷いながら人生という長い散歩を楽しんでいきましょう

 

カオナシ資本主義から、ドングリ革命へ・・・

幡谷は、ノーベル平和賞。そして、経済学賞を狙います(_)!!