地名が語る「鬼の怒る川」

 

 

 

 

 

 

鬼が怒るっと書いて、鬼怒川(きぬがわ)。鬼怒川は、関東平野を北から南へと流れ利根川に合流する一級河川です。全長176.7kmで、利根川の支流の中で最も長いことで知られています。

今回の大型台風の影響で、栃木、茨城をまたぐ、鬼怒川をはじめ多くの河川の氾濫が心配されます。

 

日本は、四季溢れる豊かな国であるとともに、こうした自然災害と向き合ってきた歴史をもちます。

 

世界では、キリスト教、イスラム教といった1つの神を信じる一神教が主流です。一神教の世界では、人間は自然を支配する立場であるとされます。台風も地震もない、ヨーロッパの穏やかな自然では、人間の知恵は、自然を凌駕したともいえます。

反対に、自然に根差した、たくさんの神様を信じる日本では、自然は崇拝しながらも、時に厳しく人間に襲い掛かります。自然は、支配するものでなく、同居している?そんな独特の価値観が、わたしたちの住む日本には伝わってきたのです。

 

あなたが住んでいる県はどこですか?

現在、日本では47都道府県に行政府を設けていますが、中世には、国名で管理してきた歴史があります。

たとえば、長野県は、信濃の国。わが茨城県は、常陸の国と呼称されていました。

 

日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫 著:竹村 公太郎)では、旧国名は、山や川。地政学的に、実に合理的な国わけをされていたことが指摘されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

代では、鉄道や道路がとおり、地域間の移動がしやすくなりましたが、古代では、川を移動することで、物資や人の交流を進めていたようです。その証拠に古い国を調べると川の流域にそって、行政区を設けていたことが読み取れます。

 

画像は関東におかれた旧国名です。

現在の茨城には、常陸、下野、下総の3つの国が含まれていたことがわかります。この国には、それぞれ、常陸(那珂川・久慈川)。下野(鬼怒川)。下総(利根川)が当てはまります

 

欧米による植民地化が進んだアフリカ、中近東では、民族や、地政学を無視した定規でひっぱった国境線がひかれています。これは、まさに住んでいる住民や悠久の歴史を無視した暴挙で、その証拠に、いまも民族間の紛争の火種をもたらしてしまっています。

 

魅力度ランキング47位(最下位)の茨城、46位の栃木も、もしかしたら、旧国名の成り立ちを無視した機械的な県境の設置が、日本国民に認知されない遠因になっているのかもしれません(>_<)

 

旧国名には、先祖から渡された素敵な歴史や知恵がつまっています。


常に陸とかいて、「常陸」(ひたち)。山の幸、海の幸に満たされた豊穣の大地を、常世の国(楽園)と常陸風土記では、称えています。

鬼が怒るっと書いて、「鬼怒川」。今回の大雨で被害を出している地域に流れる川をさし、古くから、暴れ川だったことが推測される地名です。


自然災害と向き合いながら暮らさざる負えない日本にあって、昔からの知恵に沿うことが、災害と一番上手に付き合っていけることになるのかもしれません。


豊かな人間性の回復のため、茨城、栃木、千葉に、それぞれ、旧国名の復活を!

でも、東京と埼玉が2つで、1つの武蔵の国っというのも、ざっくりすぎるか(^_^;)