江戸時代にまなぶ教育の多様性

 

 

 

 

 

 

 

 

ホーホケキョ~♪

春の訪れをつげるウグイスの鳴き声も、風土によって違いがあるそうです。

 

先日、日本のウグイスにくらべ、ハワイで野生化したウグイスの鳴き声が単調であるとの研究結果が報告されました。

常夏のハワイは、ウグイスにとっても楽園らしく、世代をへるごとに、鳴き声を単純化させていったそうです。逆をいえば、春夏秋冬をもつ、日本の多様な自然は、ウグイスの声に豊かさをもたらしているともいえそうです。

 

同じように、日本の風土は、そこに住む日本人の多様性をもららしてきたと幡谷は考えます

そして、そんな風土に根差した教育を江戸時代には完成させていました。それが今回のブログで紹介する江戸時代の教育システムです。 

 

日本の豊かな風土は、私たち人間にたくさんの恵みを与えてくれています。

しかし、いつしか、教育と風土を切り離す施策が進み、金太郎あめのような没個性の人間が増えているのが現状です。

 

現代教育の画一的な要素は、尾崎豊でなくてもヘキヘキするものです。しかし、江戸時代の日本には、地方地方に300余藩とわれた藩ごとに、個性豊かな教育の仕組みが存在していました。

 

画像は、明治維新の立役者、西郷さんの像です。西郷さんをはじめ、大久保利通や多くの志士は、「郷中」と言われた、薩摩の島津藩の教育システムのなかで育まれた人材です。

 

同じように、会津藩では、「什」といわれる教育の仕組みが存在して存在しており、什の掟を定め「ならぬものはならぬ」と、今も続く義に厚い会津人を生み出しています。

 

長州では、吉田松陰が、個性をのばす教育をほどこし、歴代の総理大臣がザクザクうまれ、肥前(佐賀)では、恐ろしい程の詰め込み教育で、カラクリ田中?のちの東芝の創業者を輩出しています。そして、我が水戸藩でも、弘道館が建設され、幾多の俊才が誕生し、幡谷哲太郎のご先祖さんもここに学んでいたようです。

 

司馬遼太郎さんは、「龍馬は、土佐の風土が育て、西郷は、薩摩の風土でしか生まれなかった」と表現しています。

 

人間を育てるものは、コンクリートに囲まれた教室でなく、地方地方の海や山。そして人間であるべきです。 反対に風土を切り離し、金太郎飴のような人間を育てるバカバカしさ、そして全体主義に陥ったときの恐ろしさは、国を滅亡させる一番の近道でもあります

 

人は他人でしか学べません、教科書で学ぶ教育は、ほんのちょっとの因子です点数で子供を測って、その子の何がわかるのでしょう?

 

反対に「人間」を軸にしたとき、点数で子供をみないとき、そのカリキュラムには、花をめでる心、歌を愛する心、友達を助ける心、そして道徳心が必ず中央にあることでしょう

 

現在、ようやく、道徳の重要性を国が考え、カリキュラム化が進んでいますが、国語、算数、理科、社会。これにプラスして、ちょこっと道徳があるのが現状です。しかし、江戸時代の教育では、まず人としての「道」をとく「徳」があり、その徳を固める手段として、知識があったように感じます。

 

善悪の基準も持たないちょっと器用な子が、テストの点数だけを積み上げ、いつの間にかエリートさんになって日本の行く末を握るなんてホラーでしかありません。

 

人間に立ち返る教育の在り方がまさに今、もとめられています。 人間とはなんぞや? 少なくともその答えは、教科書でなく目の前の人間にしか答えはありません。 そのためには、霞が関から落ちてくる画一的な教育カリキュラムを脱却し、地方地方で独自のカリキュラムを構築し、その風土をいきる人間を学ぶ必要があります。これを幡谷は、教育の自給率と呼んでいます。 教育の多様性は、人間の多様性をもたらします。

 

人間の多様性は、社会の多様性、ひいては日本の豊かさをもたらすものと、確信しています。そして、地域の多様性を教育システムに反映させるために、青年会議所の役割が増していくと、予言します。 国史会議の立場でいえば、日本をまっすぐに学ぶ教育をもとめています。しかし、左よりの教育も、多様性の観点では必要な要素なのかな?とも感じます。大切なのは、様々な 考え方を持つ人がいて、立場によっては、様々な正義があるという事実です。 子ども達には、それぞれの正義を提示し、それぞれの眼で、自分なりの正義をみつけてほしいものです。

 

 

ひとは人でしか、学べない。それは、子ども達だけでなく、大人でも同じことです。

そして、青年会議所こそが、地方にねざし、多様性を学ぶ、学び舎ではないでしょうか?


龍馬は、土佐の風土が育て、西郷は、薩摩の風土でしか生まれませんでした。二人に限らず、地方地方の風土に育まれた志士たちがそしておのおのの信じる正義のために、新しい時代をつくった歴史が日本にはあります。


高知ブロックから、未来の龍馬を、そして鹿児島ブロックからは、未来の西郷さんを、青年会議所の可能性を高める取組がすすむことを祈念しています。